ACT.2

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「おはよーございます…って皆さん準備完了って感じですか?」 二階から寝ぼけ眼で降りてきたクロウは既に準備を終えていた他の三人を見てから時間を確認する。 昨日ファントムに言われ,明日…つまり今日の6:00に此処を出発するらしい。 現在の時刻,5:00。 うん,自分が寝坊したんじゃなく単にこの人達が早いだけだ。 そんな事を思いつつキッチンに置いてあるトーストにハムとレタスとチーズを挟み,トースターで焼く。 焼いている時間で寝ぼけ眼を覚ますために洗面所に向かった。 ファントム,ツヴァイ,ゼクスは各々の愛用している銃器を分解して整備や掃除をしていた。 そして6:00。 四人は昨日まで無かった白い乗用車に乗っていた。 エンジンをかけながらクロウはルームミラーに映る後部座席のファントムを見ながら尋ねる。 「この車…何処で?」 バックミラーに映るファントムは窓から朝焼けを見ていた。 「月華瑠璃とかいう名の都合の良い便利屋に頼んだらしい。」 ファントムの横に座っているツヴァイがファントムの代わりに答えた。 「月華瑠璃? まさかあのクレイジーカスタムの?」 助手席のゼクスが途端に怪訝そうな顔で助手席から身を乗り出してツヴァイを見る。 「さぁ? 取り敢えず今回の依頼のサポートしてくれるらしい。」 その通り名を知らないのか少し目を丸くして興味なさ気に肩をすくめて窓の外を眺めた。 「彼女は何だかんだでお前に匹敵する優秀な人材だ。」 此処で初めてファントムが口を挟み,後部座席から運転席に腕を伸ばして一枚の紙をクロウに渡す。 その紙には地名が書いてあった。 「わざわざこんな場所で待ち合わせですか?まぁ了解しました。」 ファントムから貰った紙を眺めながら少し驚きながらも乗用車を発進させるクロウ。 ゼクスは何か言いたさ気だったが頭を掻きながら助手席に座り直し,小さく溜め息をついていた。 「ゼクスさん…月華瑠璃という方はどんな人物なんですか?」 人気の多い道を運転しながら月華瑠璃と何か因縁がありそうなゼクスに尋ねた。 「苦手なタイプ。 頭良くて手先が器用な癖に適当で取り敢えずその場しのぎで何とかするよーな奴。」 助手席で頬杖をつきながら吐き捨てるようにクロウに言った。
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