ACT.1

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    AM9:50     ブォオオ..と排気ガスをマフラーから吐き出しながら荒野に敷かれた延々長々と続く信号も他の車も人の気配もないただの一本の道路を中型トラックは走っていた。   「~♪」   車内に響くクラッシック音楽を鼻歌で歌いながら運転をしている宅配屋の格好をした男。 コードネーム,クロウ。 表の彼は宅配便の仕事をしており現在こんなだだっ広い何もない荒野にある一軒家に届け物を渡しに来ていたのだ。   「確かあそこだった筈。」   あれからトラックで数分走り続けてやっと左手前方に一軒家を見つけた。   とその時だ。 “ヴー,ヴー” ポケットで携帯が震えた。   ポケットから携帯を取り出して携帯の画面を見る。 画面には“着信:ツヴァイ”と書かれていた。     ―…久々に来ましたね―     「はい,コチラ“安くて速いミリオン宅急便”でございます。」   とわざと仕事調子で電話に出た。   『仕事入ったよ。ゼクスに連絡入れて合流して合流したらもう一度こっちに連絡頂戴。』   携帯から聴こえる声はツヴァイ。 クロウのおふざけに敢えて構わずに用件を手短に伝えた。   「…了解しましたよ。では後程。」   流石に何のツッコミも無く無視され少しヘコんだのかうなだれた様子で電話を切り,目的の家に届け物を済ませばとっととトラックに戻り携帯を片手にゼクスに連絡をしながら走り去った。
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