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PM20:44
「そろそろ来る時間だ。」
ファントムは椅子に座ったまま対面する机に座っているツヴァイにそう告げて左方にある小さな窓に目を向ければタイミング良く一台のトラックがこちらに向かってくるのが見えた。
「5…4…3…2…1。」
トラックのエンジン音が切れたと思えば玄関の真上に貼り付けてある時計の秒針を数え始めるツヴァイ。
「…0。」
「お久しぶりです。」
「久しぶりだね。」
玄関が開き,男女が入ってくる。
クロウとゼクスだ。
ゼクスは肩にノートパソコン用のバックをかけている。
「時間ぴったり。
ご苦労様。」
とから笑いのツヴァイ。
クロウは時間厳守の男である。
というのも毎回クロウと待ち合わせをする時にはツヴァイはカウントダウンをしていた。
しかし一度たりとも時間に遅れた事は無いのだ。
そしてお馴染みのように決まってこう言う。
「時間厳守の仕事ですから。」
「よし,全員集まったな。
今回の依頼について話がある。」
その場を仕切るようにファントムが声を上げると全員ファントムの方を向いて神妙な顔つきになった。
左にいるゼクスから右にいるツヴァイまで全員の表情を順に確認してから続けて言う。
「今回の依頼主は大手薬品会社フロンディアの社長。
依頼内容は“リベリオン”から拉致された娘の救出。」
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