恋人はペット。

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「ん?鳴き声…?」 空耳か?っとその場に 立ち止まり耳をすましてみる。 「…みぃー…みー…」 「…気のせいじゃない。」 雨音に紛れて聞こえてきたのは 確かに小さな動物の鳴き声。 声を辿るとゴミ捨て場に辿り着いた。 「ぁ…子猫…と仔犬だ…」 ゴミ捨て場には小さな箱に2匹の 黒い子猫と白い仔犬が震えていた。 主に鳴いていたのは子猫の方で仔犬は ネコの後ろで震えていた。 「まだこんな小さいのに…」 しゃがみ込み傘を差し出すと震えていた 子猫が瞳を開きこちらを見上げた。 ビー玉の様なブルーグレイの瞳。手を 差し出すと出された手に擦り寄る子猫。 鞄の中からタオルを取り出し、2匹を 優しく持ち上げて包むと再び歩き出した。 、
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