第1話

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「ぉー…キレイになった。」 2匹を連れて帰り、雨に濡れた身体を 温めるためにお風呂に入れた。タオルで 優しく拭き、ドライヤーで乾かす。 子猫は黒い毛並みがつやつやになり 子犬の方も毛がふわふわで2匹並ぶと まるでぬいぐるみの様だ。 「きゅ…くぅー…」 「ぉ。お前やっと鳴いたな~」 今まで震えているだけだった子犬が 允浩を見上げて小さくはあるが 初めて鳴いた。允浩は子犬を抱き上げると 子猫はよたよたと允浩に近づき 擦り寄った。 「みぃー…」 「2匹同時に飼うのはキツイなぁー」 ―ピンポーン… 「…この時間にお客…」 ―ピンポンピンポンピーンポン♪ 時刻は夜11時。こんな時間に?っと 言おうとするがその言葉はインターホン の音に掻き消された。允浩はお客の正体 が分かったため、ドアに向かって叫んだ。 「開いてるから入れよ。有天!!」 。
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