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…―あれから暫くして、私は喫茶[コールド]を辞めていた…。
裕也との思い出が残る職場に通うのは、私にはあまりにも辛過ぎた為だ。
耐えられなかった…。
私はまた、逃げている…。
――本当は一番沢山の思い出が詰まっているこの家を引っ越したかったのだが…資金が無い為、それは出来なかった。
…実家にも…帰りたくない。
最近はあまり家に帰らずに…出来る限り外出をしている。
だけど私はあれから、何をしようにも全くと言っていい程気力が湧かず…[コールド]を辞めて以来バイトもせずにただ毎日をブラブラと過ごしていた。
相変わらず食欲も無いので、体重は減る一方だ。
今は…日々漠然と生きているだけの人生、といった感じ…。
私の胸にぽっかりと空いてしまった穴は…いつ迄経っても埋まる気配が無い…――。
今日もまた、出来る限り家に帰る時間を遅らせる為だけに…私は深夜のコンビニで立ち読みをしていた。
読みたい物も、欲しい物も無い。
「………コホン。」
背後から店員の咳払いが聞こえ、振り向き様に目が合った。
長居をしている為、嫌な顔をされた…。
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