21歳―風俗―

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(当たり前よね…。) 仕方が無いので私は本棚に雑誌を戻し、飲み物のコーナーへと向かった。 特に必要な物は無いので、せめてペットボトルを一本買ってコンビニを出ようと思ったからだ。 適当にお茶を選び、レジに持って行く。 ピッ 「138円です。」 店員に言われ、財布を開ける。 (あれ…。) 財布を見ると、二千円しか入っていなかった。 取り敢えず私は千円札を一枚差し出し、御釣りを受け取ってコンビニを後にした。 …トボトボと家に向かって歩く。 (確か…もう貯金の残高…0円だった筈…。ヤバい…なぁ…。) バイトも何もせずに、毎日ブラブラしているのでお金が無くなるのは当然だった…。 (どうしよう…。どうでも…いいけど。) 半ば投げやりにそんな事を考えつつ、私は帰宅した。 「……………。」 相変わらず…静かな部屋…。 私の胸は、この家に戻る度未だにチクチクと痛んでいた…。 苦しい…………。 家に帰ると、嫌でも幸せだったあの頃の情景が思い浮かんで来る…。 いっそ死んでしまえたらどんなに楽だろう。 何度そう思った事か解らない。
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