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「妊娠しています。」
―産婦人科の静まった診療室内で、やけにあっさりした医者の一言が私の頭の中で虚しく響いた…―――。
「だりっっ。もぉあたし帰りたいんすけど~!!」
終業式の最中仲間内の一人である知夏がぼやいている。
「まぁまぁ、明日からは夏休みだし…暫くはこのだるさともお別れじゃん。儂等の時代到来(笑)」
そう言って知夏を宥めるのは同じく仲間内の敬輔。一人称が「儂」…かなり変わった子だ。
そう言う私も、19歳までは一人称が「俺」だったんだけど…。
「でも俺は補習組だよ…」
恨めしそうに呟いたのは付き合って1ヶ月の私の彼氏、隆康だ。
「あはは、隆康が授業サボってっからじゃん」
これは私、真希の突っ込み(笑)
「所でさ、今日何処行こっか?」
ーと急に会話に割り込んできたのはこれまた仲間内の亜夜。
「ん~…まぁ儂的には…いつも通りマック行ってカラオケ行ってゲーセンコースじゃね?」
「さんせ~♪」
高校一年生の夏休み、私は当時付き合っていた同じクラスの隆康や仲間内の知夏、敬輔、亜夜と毎日の様に遊び、それなりに充実した日々を過ごしていた。
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