釈放当日

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一方、一台のオンボロパトカーが刑務所のすぐ外を走っていた。 その強い城壁の正門前にパトカーは止まった。 ハンドルを持ったその手には、「ELWOOD」のタトゥー。 ……………「ライター、タバコに、未使用スキン一個。」 今まで素手で荷物を扱っていた所長の目つきがかわり、ピンセットで何かをつまむ。 「…使用済み1つ。」 次は茶封筒を手にとり、 「23ドルと7セント。」 それを机に叩きつける。 なにやら書類とペンを差し出した。 「…サインしろ。」 厳かに言われると、囚人はペンで「X」の字を書いた。
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