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夕食を済ませたアルファ中隊の面々は、諫渚の指示通りブリーフィングルームに集まり、今日の合同訓練の評価を行っていた。その結果は武達に自信を持たせるには十分過ぎるものだった。彼等の戦績は同世代のそれを大きく上回っており、実戦経験が無い事を除けば熟練衛士に迫る程だった。しかし、戦場では経験というものが技術とは比にならない程重要視される。刻々と変化する戦況を把握し的確な行動をするというのは、ある程度の経験が無ければ不可能である。
中隊を指揮する諫渚は、武達の将来が楽しみな反面、心配もしていた。彼等が多くの実戦経験を積めば、自分など比にならない程素晴らしい衛士になるだろう。しかし、実戦経験を積む前に自信を付けさせて良いものか。勿論、初陣を迎える前でもある程度自信を持つ事は必要だが、必要以上に自信を持ってしまうとそれぞれの能力が高いだけに自分本位になってしまう恐れがある。諫渚はそれを心配していた。
諫渚「今日の訓練でお前達も自信を付けたと思うが、慢心はするなよ?」
全員「了解!」
諫渚「さて、最後に伝達事項がある。」
武「あっ・・・。」
諫渚「どうした?」
武「い、いえ・・・。」
諫渚の表情が厳しくなったのを見て、武は直感した。これから諫渚が言おうとしている事が反攻作戦に関わる情報だという事を。月詠から事前に情報を得ていた為、彼の言葉につい反応してしまった。
諫渚「単刀直入に言う。バビロン作戦の最初の攻略目標が決まった。」
全員「!」
武・草間「・・・。」
草間は事前に話を聞いていたのか特に大きな反応はせず、残りの5人は驚いていた。武は驚きこそ少ないものの、どのハイヴが目標になるかは知らない為、緊張した面持ちで諫渚の言葉を待った。
諫渚「作戦決行は1週間後、目標は甲26号目標、エヴェンスクハイヴだ。」
全員「・・・。」
諫渚「この作戦はソ連軍と国連北極海方面軍が中心となる作戦だが、横浜基地からも幾つかの部隊が参加する事になっている。」
榊「あの・・・、私達は参加するのでしょうか?」
これは榊だけでなく、皆が聞きたい事だろう。草間はやはり何の反応も示さない。これも諫渚から事前に聞いていたのだろう。
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