Episode1 ‐自信と不安‐

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諫渚「ああ。俺達アルファ中隊も参加する。」 全員「!」 草間「・・・。」  自分達の初陣がすぐ傍に迫っている事を知り、武達に緊張が走る。 諫渚「安心しろ。俺達が任されているのは最後方だ。G弾使用後という事もあり、大規模な戦闘になる事は無いだろう。」 全員「・・・。」 諫渚「緊張してるのは分かるが、これからする説明はしっかり聞いておけよ?」 全員「り、了解・・・。」  武達は初陣に対する不安や動揺を隠せなかったが、作戦についての説明はしっかり聞いていた。  まずは海上から戦艦によるAL弾を用いた砲撃を行い、光線(レーザー)級及び重光線(重レーザー)級の迎撃によって重金属雲を発生させ、レーザーの威力を大幅に減衰させる。その後、今後の作戦の主役となるG弾が投下される。今回の作戦では2発のG弾が投下される予定だが、場合によっては3発になる可能性もある。これによりハイヴの地表構造物(モニュメント)及びBETAの大半を殲滅する。安全を確認し次第、戦車及び戦術機が上陸し残存勢力の殲滅及びハイヴ内の調査を行う。  アルファ中隊は全部隊の中で最も遅く上陸し、不足の事態に備えて後方待機する事になる。BETAが海でも泳がない限り、大規模な戦闘になる事は無いだろう。 諫渚「‐以上だ。白銀達にとっては初陣になるわけだが、訓練通りにやれば死ぬ事は無い。というわけで、死んだら20キロの行軍だ。勿論完全装備でな。」 武「何が『というわけで』なんですか?それに、死んだらそんな事できないじゃないですか?」 草間「あら?私が言おうと思ったんだけど。」 諫渚「的確な指摘ありがとう。まあ、細かい事は気にするな。今日はこれで解散。各自作戦の流れを確認しておけ。」 全員「了解!」  ブリーフィングルームは笑いに包まれ、武達の緊張も僅かではあるが緩和された。諫渚の発言が彼等の緊張を解す為のものだという事は言うまでも無いが、武は気遣ってくれた事に素直に感謝した。
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