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冥夜「凄くなどない・・・。現にこうしてそなたの所に来てしまっている。」
武「そうじゃねぇよ。お前は初陣前のこんな状況でも、皆の事心配してただろ?さっきは色々言ったけど、俺は自分の事しか考えてなかった。」
冥夜「それは・・・。」
武「ちゃんとやれるのか。生き残れるのか。・・・冥夜を守れるのか。そんな事ばっかりで、皆の事はほとんど考えてなかった。」
冥夜「武・・・。」
部屋に1人でいると、彼の思考は同じ事ばかり考えてループする。冥夜が来てくれて正直助かったと言えるだろう。
武「冥夜。」
冥夜「何だ?」
武「生きてここに戻って来よう。」
冥夜「そなたは大げさだな。最後方での警戒任務なのだぞ?」
武「そんな事言ってるけど、震えてるじゃねぇか・・・。」
冥夜「そなたもな・・・。」
2人はそう言って笑い合った。冥夜の顔は不安や緊張こそ感じられるが、笑っていた。武は彼女が笑顔でいてくれた事が嬉しかった。
武と冥夜は、ゆっくりとベッドに横になり体を重ねた。互いの体の温もりが、互いの心の中にある不安を僅かながら取り除いてくれたような気がした。
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