Episode2 ‐本物の戦場‐

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諫渚「アルファ1よりケベック1。こちらにBETAの反応は無い。」 ケベック1「了解。ケベック1よりHQ、出現したBETAの全滅を確認した。」 HQ「HQ了解。よくやった。ケベック中隊及びアルファ中隊はその場で待機。補給は済ませておけ。」 ケベック1「了解。だそうだ、アルファ1。」 諫渚「了解した。」  出現したBETA群の全滅という形でひとまず戦闘は終了した。アルファ中隊は誰一人欠ける事もなく、機体の損傷も軽微だった。しかしケベック中隊は更に1人戦死者を出してしまっていた。 諫渚「さてここで問題だ。白銀、俺達が戦闘を始めてから何分経過した?」 白銀「えっと・・・、約38分です。」 諫渚「では御剣、初めてBETAと直接戦った衛士の平均生存時間は?」 冥夜「8分です。あっ・・・。」 草間「フフフ、おめでとう。あなた達は『死の8分』を乗り越えたのよ。」 武・冥夜・榊・彩峰・珠瀬・鎧衣「あ・・・。」  目の前の戦闘に集中していた為、武達は時間だけでなく『死の8分』という言葉自体を忘れてしまっていた。 月詠「まだまだ甘い所もあるが、良い動きだった。」 諫渚「近衛のエースに褒められてるんだ。自信を持て。慢心しない程度にな。」 武・冥夜・榊・彩峰・珠瀬・鎧衣「はい!」  こうして、武達は初めての実戦を経験した。誰かが目覚しい活躍をした訳でも、ドラマティックな展開があったわけでもない。だが、彼等は生き残った。必死に機体を動かし、トリガーを引き、生き残ったのである。  作戦中である為、すぐに補給作業や周辺警戒に戻ったが、彼等は心の中で喜びを噛み締め、決意を新たにした。仲間が3人戦死したケベック中隊の面々も、『死の8分』を乗り越えた武達に心の中で拍手を送った。
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