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武の指示によって榊と彩峰の口論はとりあえず一時休戦という形になった。第207臨時小隊の面々はハンガーへ戻り、解散した後はそれぞれが思い思いの場所に向かって行った。ハンガーには武と冥夜が残った。
冥夜「そなたはどうするのだ?」
武「実は、諫渚真(イザナギマコト)って大尉の所に出頭するように言われてるんだ。お前も来るか?」
冥夜「良いのか?出頭命令はそなたに出ているのであろう?」
武「別に良いんじゃないか?1人で来いとは言われてないし、俺達の小隊に関する話みたいだからな。」
冥夜「ならば私も行こう。そなた1人に任せるのは不安だからな。」
武「お前なぁ・・・。」
冥夜「ふふふ、冗談だ。」
2人は笑いながらハンガーを後にした。
2人がいなくなった事を確認すると、整備兵達は話を始めた。話題は勿論武と冥夜に関してである。
整備兵1「いつもいつも、お熱いねぇ。」
整備班2「独り身だからって妬いてんじゃねぇぞ?」
整備兵1「そ、そんなんじゃねぇッスよ!」
整備兵3「アンタ、早くしないと賞味期限切れるわよ?」
整備兵1「ヘッ!お前が言うな!」
彼等の会話によって、ハンガーは笑いに包まれた。その光景を見ていた整備班長は、微笑ましく思いながらも、彼等に喝を入れる。
整備班長「お前等!何を話しても構わねぇが、手だけは休めるんじゃねぇぞ!最短の時間で最高の整備をしてやれ!あの2人みてぇな若い命を守る為にもな!分かったか!」
整備兵達「了解!」
整備班長は整備兵達のやる気に満ちた声を聞き、どんなに忙しくてもしっかりと仕事をこなす部下達を改めて誇りに思った。
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