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実験開始直後に駆逐艦はレーダーから姿を消す。ここまでは参加者達の予想通りであった。しかし直後エルドリッジは不可視どころか、完全に姿を消してしまい、おまけに2,500km以上も離れたノーフォークにまで瞬間移動してしまっていたのである。それから数分後、またもや発光体に包まれ艦はもとの場所に瞬間移動する。再び戻ってきたエルドリッジだが、 驚くべきことに船員は、体が突然燃え上がったり衣服だけが船体に焼き付けられたり、甲板に体が溶け込んだりしていた。 ある者は発火した計器から火が移り火達磨に、またある者は突然凍り付いてしまい冷凍化した。半身だけ透明になったり、壁の中に吸い込まれた者もいた。生き残った乗組員も精神に異常をきたし、エルドリッジの内部はまさに地獄絵図の如くであった。唯一、一部のエンジニアたちは機械室にいたため 鉄の隔壁に守られ影響を受けなかった。こうして実験自体は成功したが、行方不明・死亡16人、発狂者6人という取り返しのつかない結果になった。このことに恐れおののいた海軍上層部はこの極秘実験を隠蔽したといわれている。そもそもこの実験が行われたという密告は、モーリス・ジェソップという作家の元に、 1956年カルロス・マイケル・アレンデという人物から届いた手紙に端を発する。 その手紙には“レインボー・プロジェクト”の内容が克明に綴られていたという。 しかし、モーリスはこの手紙を受け取った3年後に謎の自殺をしている。 アメリカ海軍は総力をあげてアレンデという人物を捜したが、失敗に終わったという。一説では、マンハッタン計画に対する欺瞞作戦とも言われ、現在でもこの不可解な超常現象の伝説は多くのマニアを惹きつけている。
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