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“『朝日さん上がってきたなら、切るわよ。おやすみ、みちる。』”
そう言って切れたケータイを閉じる。メイは優しいんだか、冷たいのか…。それでも頼りになる唯一無二の親友だ。
朝日さんの暖かさに騙されながら、現実を見ない振りする。
されてないよ、父のスウェットに上半身裸の変態から耳にキスなんてされてない。
『お風呂ありがとう、みちるさん。…ねぇ、みちるさん。お風呂入っておいでよ。』
低音の声が心地いい。もう良いや、こんなにイケメンなんだもん。騙されておこう。
浴室までエスコートされ、されるがままになる あたしに、調子に乗った朝日さんが一緒に入ってこようとするのを阻止し、浴室のドアをロックする。
あたしの部屋は、いつも鍵が掛かっているから大丈夫。
あたしの楽園を汚されたくはないし、ね?
それにしても、今日は何だか疲れちゃった。
そう言えば朝日さんにスウェット上下渡したよね?なんで上半身裸なのかしら?
そう言えば、今日出会ったばかりの人と…しかも男と同じ屋根の下なんて危なくない?
イケメン力と、メイに流されて気づかなかったけれど…。
とにかく!!母よ、娘の貞操のピンチくらい帰ってきて!!
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