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プツッ
『はい、もしも…』
『メイ!!あたし どうしよう!?変態イケメンに騙されて結婚しなくちゃいけないかもしれないの!!こんな事なら、あの時 太陽からのプロポーズ受けとけば良かったよぉ。ねぇ、メイ?メイさーん?聞いてる?』
電話口の、メイであるはずの相手は沈黙していた。うんともすんとも言いやしない。
少し早口過ぎた?
『ね、メイ…』
『うるさいわ、みちる。早口で何言ってるのか分かりはしないし、あたしの言葉を遮るなんて 良い度胸してるわね?』
メイの、怒りを含めた声が耳に響く。
…こ、怖い。
『ご、ごめん。メイ。』
あたしは取りあえず謝る。メイを相手にするなら、謝っておくに越したことはない。
『解れば、良いわ。で、どうしたの?』
今度は、優しさを含んだ声が耳に入ってくる。
その声に少し落ち着いた あたしは、今日あった事を全て打ち明けた。 何も言わず、真剣に受け止めてくれている姿が目に浮かぶ。
『だいたい解ったわ。ねぇ、あたし今日 残業ないの。今から みちるん家行くわ。話はそれからしましょう?』
それから、7時半ごろに約束をし、メイと食べる夕飯の準備をする。
麻婆茄子に、炊きたてご飯に春雨スープ、サラダを作っていく。
ちょうど出来上がる頃に、来客を知らせるチャイムが鳴った。
きっと、メイだ。
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