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厭らしく笑いながらハルの腕をぐいぐいと引っ張っていく男に
「いや!放して!」
と必死に身をよじって逃げようとするが、今度はハルの背後から別の男が軽々とハルの腰を抱きかかえた。
ハルは大声を出しながら必死に抵抗するが男たちの力には適わなず、そのまま人気の無い路地裏の空き家へと連れ込まれ、どさり…と埃だらけの畳の上へハルが投げ出されるとぶわっと埃が舞う。
「けほっけほっ」
思わずむせて涙が出るハルにいきなり男の一人がハルの上にのしかかり
「ほぅ・・・あんた結構可愛い面してんなぁ」
頭らしい男がにやつきながらハルの腕を押さえ込むと、品定めをするかのようにハルを見下ろし
「くっ!」
恐怖に襲われながらも何とか逃れようとハルも必死で手をふりほどくが、すぐに両手を他の男に押さえつけられ全く動くことができなくなってしまった。
唯一自由の利く足をばたつかせるが、その足が他の男の顔に当たり
「ってーな。何しやがるんだこのアマ!」
という怒鳴り声と共にぱしん!と乾いた音が響き
「ぁ…」
ハルの左の頬が赤く腫れじんじんと痛み出すと男に叩かれたのだ…と悟りハルは痛みと恐怖で力が抜けた。
抵抗することを諦め目を閉じかけたその時
「おやおや、娘さん一人に多勢とは…いただけませんねぇ」
聞き覚えのある声がハルの耳に届きハルが目を開けた。
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