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『いや…どう見ても正直そんなに強そうには見えないんですけど…』
と心の中でハルが呟いていると
「いくら剣の腕が立つとしてもだ。そんな棒きれと刀じゃ、どっちが強いかわかんだろうが」
馬鹿にしたように嘲り笑う男達。
が、源三郎は男達の言葉に動じることもなく、ゆっくり構え直すと再度男達を見据え
「さあ、その娘さんから離れなさい。これが…最後の忠告ですよ」
と変わらず笑みを浮かべて言い放った。
だが、一人で・・・しかも棒で立ち向かう相手に負ける訳ないと思った男達は薄ら笑いを浮かべて抜刀し、源三郎が勝てる訳ないと思うハルが
「誰か!誰か助けて!」
と力の限り叫ぶが、こんな廃屋に誰かが助けに来るわけなどなく…源三郎が助けに現れたのだって奇跡的なことなのだ。勝ちを確信した男達の頭が、くくっと厭らしく笑うと
「さぁて…早いとこ片付けるか。なんせ…お楽しみの途中だからな」
とハルを横目でにやりと見やるとハルがぞっとして思わず後退り、抜刀した男達が一斉に刀を構えてじりじり…と源三郎に斬りかかるきっかけを窺った。
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