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「くそっ!てめぇらさっきからごちゃごちゃとうっせぇんだよ!おら、お前早くどけよ!」
先ほどから、自分を無視して言い合いをする土方たちに苛立ち怒鳴る男に
「…あ?おめぇこそ、キャンキャン犬みてぇに吠えてねぇで失せろや」
と土方が鬱陶しそうに目を細め、男に吐き捨てるように言いながら戸から体を離し退路を作るが
「こ・・・この野郎!」
犬扱いされた事に顔を真っ赤にした男がハルを突き飛ばすと、刀を振りかざし土方に向かって行く。
だが、それをひょいっと避けながら、倒れている他の男の刀を土方が拾うと
「っ!」
男の喉元には、どす黒い空気を放つ土方の握る刀の切っ先が突き付けられていた。
「俺ぁ今機嫌わりぃんだよ。その空っぽの頭を吹っ飛ばされたくねぇなら、とっとと失せろ」
と低い声で迫る土方の気迫に恐れを感じた男が
「覚えてやがれ!」
とお決まりの台詞を吐くと一目散に逃げ去り、逃げる男の背中を呆然と見つめたハルがへなへな…と座り込んだ。
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