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その後、部屋で眠りから覚め落ち着きを取り戻した少女に、神主が名前を決めようと優しく提案した。
「自分で好きな名前を決めたらよい」
そう言って、少女の泣き腫らした顔を目を細めて見つめる。すると
「あの。できれば・・・神主さまに決めていただきたいのですが」
おずおずと口を開き、そう申し出る少女に少し驚いた神主だがにこやかに
「うむ、承知した。ふむ…そうさなぁ。
ハルって名前はどうじゃ?
お前さんがここに来た季節は春。それに今日は見事な快晴じゃった。
それから…お前さんは人の心を温かく・・・春の陽だまりのような何かを持っておる気がするのだ」
と『ハル』と言う名を提案すると、少女の反応を窺った。
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