君の笑顔

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「そういえば、気になってた事があったんだ。」 「なんですか?」 帰り道で、おれは聞いた。 「おまえが起こしたっていう乱闘事件、あれマジか?」 「そんな事もありましたねえ。」 やっぱりマジだったんだな… 「おまえ、最後まで原因を話さなかったらしーじゃん。一体なにがあったんだよ?」 一息ついてから、リョウは話し始めた。 「先輩に、ヤジを飛ばすもんだから、頭きてぶん殴っちゃったんです。」 …………… へ? 「だって、ムカつくじゃないっすか。大好きな人の悪口たたくヤツ。」 おれは呆気にとられた。 「でもそんな理由、どうせ誰も分かってくれないだろうと思って、話しませんでしたけど。」 コイツの想いの深さと重さには、脱帽もんだな… でも、そんぐれー想ってくれたから、今のおれがあるんだ。 最初は、おれを嫌っての行動かと思ってた。 だからあんな威圧的な態度で、近寄ってきたのかと… って、ん? 「…そうだよ。おまえ、おれが好きだとか言いながら、なんで最初、あんなムカつく態度とってたんだよ?」 あれも計算か? おれがリョウを気にするように、仕向けたんじゃねーだろうな…有り得るな。 「あ、それはー…」 言葉に詰まるリョウ。 あぁ、ホラな。 やっぱり作戦だったんだ。 ま、今さら動揺したりしねえっての。 コイツの行動や考えの傾向が、分かってきたような気がしてきたしな。
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