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「そういえば、気になってた事があったんだ。」
「なんですか?」
帰り道で、おれは聞いた。
「おまえが起こしたっていう乱闘事件、あれマジか?」
「そんな事もありましたねえ。」
やっぱりマジだったんだな…
「おまえ、最後まで原因を話さなかったらしーじゃん。一体なにがあったんだよ?」
一息ついてから、リョウは話し始めた。
「先輩に、ヤジを飛ばすもんだから、頭きてぶん殴っちゃったんです。」
……………
へ?
「だって、ムカつくじゃないっすか。大好きな人の悪口たたくヤツ。」
おれは呆気にとられた。
「でもそんな理由、どうせ誰も分かってくれないだろうと思って、話しませんでしたけど。」
コイツの想いの深さと重さには、脱帽もんだな…
でも、そんぐれー想ってくれたから、今のおれがあるんだ。
最初は、おれを嫌っての行動かと思ってた。
だからあんな威圧的な態度で、近寄ってきたのかと…
って、ん?
「…そうだよ。おまえ、おれが好きだとか言いながら、なんで最初、あんなムカつく態度とってたんだよ?」
あれも計算か?
おれがリョウを気にするように、仕向けたんじゃねーだろうな…有り得るな。
「あ、それはー…」
言葉に詰まるリョウ。
あぁ、ホラな。
やっぱり作戦だったんだ。
ま、今さら動揺したりしねえっての。
コイツの行動や考えの傾向が、分かってきたような気がしてきたしな。
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