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次の日、学校へ向かう途中で嫌なヤツと遭遇。
石川リョウだ。
おれの家から学校までは、徒歩で10分の超至近距離。
なのに気に食わない人間と鉢合わせするとは…
おれは、神を呪った。
「…おはよーございます。」
「…おう。」
角でバッタリ顔を合わせる…
そんなシチュエーションじゃ、シカトするワケにもいかねえし。
あまり目を合わせず返事をして、とりあえず去ろう。
「先輩の家、この辺すか。」
「あ?ああ…」
…なんで会話を続ける?
「近くていーっすね。」
ヤツの前を歩くから、表情は分からないが、言葉の強弱がない。
つまり、感情がこもってない。
「近いからこの学校を選んだんすか。」
「さあ。」
話し掛けるなよ。
イライラする。
「もしかして、誰かのためにこの高校を選んだとか。」
!!
「当たり?」
おれの歩みが止まる。
「…おまえ…」
「知ってますよ。先輩の事なら」
おれは、無意識にヤツの胸ぐらを掴み、静かに声を出した。
「二度とおれに話し掛けんじゃねえ…!」
手を離し、足早に学校へと向かった。
その間ヤツは、表情を崩さなかった。
とことん気に食わねえ…
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