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「でもあの後、大した騒ぎにはならなかったようですね。」
平塚が、傷付くと思ったから…
気絶しちまって分からないと言うのなら、あれは酔っ払いの仕業だったと言うしか、なかった…
「それも間宮先輩が、何とかしたんすか。」
コイツ…
よくもぬけぬけと…
「なんで…平塚なんだよ。」
おれは、すぐにでも殴りかかりたかったが、ここは部室。
いつ誰が来るか分からない。
堪える事にした。
けど、拳は震えていた。
「間宮先輩のせいです。」
「…はっ?!」
何、言ってんだ?
「先輩のせいで、平塚ナオを襲うハメになったんすよ。」
あまりに意外な話の流れで、握り締めていた拳がゆるむ。
「何ワケわかんねえ事言ってんだよ。おれのせいで平塚が、って、どんな関係があるんだよ!」
意味が分からねえ。
コイツは、そんなに人を怒らせたいのか?
おちょくってんだとしたら、もう我慢はできねえ。
おれはもう一度、握りこぶしを作った。
しかし石川リョウの口から出た言葉で、また緩んだ。
「関係は大アリじゃないすか。好き合ってるんでしょ、二人は。」
…へ?
「ちょ、ちょっと待てよ。す、好き合って…って、ハア?」
おれは思わず苦笑。
だが石川リョウは、なおも表情を崩さない。
「それなら平塚ナオは、自分にとって邪魔な存在でしかないっすから。」
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