序章

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「マコト~聞いたぞー?また女とモメたって?」 「間宮はいつか刺されるね!」 笑いながら近づく二人。 中学からの親友、平塚ナオと、その恋人、羽村トオル。 ホモカップルだ。 「刺せるモンなら刺してみろってんだ。」 「うわっ、鬼畜~!」 ケラケラと笑う平塚と羽村。 仲良く二人で登校っすか。 二人の関係を知ってるのは、おれだけ。 だけど、常に一緒にいるってのは怪しすぎるだろ。 周りは薄々気付いてる。 ま、んな事二人とも気にしちゃいねーみてぇだけど。 「とうとうオレらも二年か~。」 「クラス替えがない学校で良かったよね☆」 二人は良かっただろーよ。 だが、おれ的に、このバカップルをあと2年間も見続けなきゃいけないってのは… ツライものがあるな。 二人はよくケンカをする。 と言っても、直情的な性格の平塚が一方的に喚いてんだけど。 そのたびに二人して、各々おれに相談してくる。 二人ともダチだから、相談に乗ってやるけども… 正直ウザイ。 愛だのなんだの、おれが知るか。 おれには必要ない。 そんな、甘ったるい感情は。
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