1597人が本棚に入れています
本棚に追加
「一年生だ!初々しいな~!」
そうか?
別に、制服が新しいってだけで、1コしか違わないんだから見た目にゃ分かんねえだろ。
「そーいやマコトは、部活紹介で壇上に立つんだよな!」
「ああ。」
そうなんだよ。
めんどくせえ。
「えっ、すごい!間宮、部長だったっけ?」
「次期、な。」
自慢だが、おれは水泳部のエースだ。
「中学の時からスゴかったもんな~!部長やってたし!」
そう、すごいのだ。
だから女も寄ってくる。
絶える事はない。
そのせいだろうか。
考えが麻痺しているのは。
「ん…?」
「どうした?トオル。」
ふと羽村が、険しい顔でおれの後方を見やる。
「なんか、あの人、さっきから、じぃ~…っとコッチ見てるような気が…」
ホモカップルのお前らに気付いて不思議がってんじゃねえのか?
と言おうとしたが、やめた。
「ホントだ…なんか、ガタイがよくて、威圧的だな…」
ほう。
「ノシてくるか。」
売ってくるなら買ってやる。
おれの持論その二。
「ちょ、ちょっとヤメなよ!一年ぽいし…」
なおさら教えてやらなきゃダメだろう。
おれにケンカ売った事が、どれ程愚かなことか。
おれは振り向いた。
最初のコメントを投稿しよう!