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「恥ずかしかったんですよ。」
照れながら答えるリョウ。
「へっ?!」
恥ずかしい…?
およそ予想のつかなかった答えだったから、おれは変な声をあげてしまった。
「…ずっと、4年もの間憧れ続けてきた相手だったから、恥ずかしいし緊張してしまって…」
コイツが、緊張?
「かなり強張っていたでしょう?…だけど、想いが通じた時、顔が綻んでしまいました。」
そういえば、おれが付き合ってみるかと言った時、笑顔を見せていたな…
コイツの笑顔は…
「本当に嬉しかったんです。思わず飛び上がってしまいたくなる程。」
すげえ眩しいんだ。
おれの心の闇を、はらってくれるかのように…
眩しい。
「俺、どんな事があっても、絶対に先輩のそばから離れませんから。先輩がどんなに嫌がっても、絶対に。」
そう言って笑うリョウ。
ああ。
洗われていく。
おまえの笑顔は、おれの心を浄化する。
離さないでいてくれ。
ずっとおれのそばで、笑顔を見せてくれ。
「絶対、だな…?」
「ええ、絶対です。」
初めて本気で愛した。
不安もある。
だけど、おまえの笑顔をずっとそばで見ていられるなら、きっとそんな不安も消えるだろう。
おれ達の恋愛は、始まったばかり。
END...
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