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迷ったけど、やっぱり行ってみよう…。
放課後、そんな思いで来た図書室前の階段。
また決心が鈍りそうになった。
意を決して一段一段そっと登っていく。
「ミチル!」
「きゃあっ!」
いきなり後ろからぽんっと肩を叩かれて驚きのあまり少女漫画のような反応をしてしまった。
「何驚いてんの?やっぱりミチルって面白ぇ」
振り返れば案の定福田君で。
また笑われちゃった…。
「びっくりした…。どこ行ってたの?」
彼は左手に持ったものを軽く振ってみせる。
プラスチック製の黒くて四角い箱。
「…ゴミ箱?」
福田君はにっ、と笑って「当たり」と。
「ゴミ溜まってきたから適当に開いてた教室のゴミ箱にゴソッとな」
言いながら階段を上って行くので私も後を追ってみた。
「わ~、まるで部屋だね!」
踊り場程の広さのそこには、クッション、ブランケットなどが置かれていた。
「そうだよ。俺の部屋にようこそ」
満足そうに笑ってちょっと大きめのブランケットの上に座る彼。
周りを見るとプラグには携帯の充電器が挿さってるし、片隅にはどこから持ってきたのか学校に置いてある大きめのモップが立て掛けられていた。
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