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「いいじゃない、お願い!」
お母さんに両手を合わせてお願いをされて、何となく断りきれずに引き受けてしまった。
翌日の放課後、図書室へ。入ると、中等部や高等部の制服の人達が大半だった。初等部の制服だったら目立つかな?
さっさと借りて帰ろう…。
手近にあった棚を見ていくと、わりと新しそうな本を発見。『LOVE STORY』か、ふぅん…。まぁ純愛小説っぽいし、これでいいよね。
貸出カウンターで手続きを終えると本を抱えて早々に図書室を出た。
ちょっと居づらかったなぁ…。少しホッとしていると目の前の屋上につづく階段から人影が。誰だろう、屋上って立入り禁止のはず…。
「あ…」
2人共、声をあげたのは同時だった。
「福田君…」
階段から降りてきたのは同じクラスの福田君。
福田先輩だったらちょっとドラマチックだったかな…。なんて内心がっかりしていたら…。
「おい」
福田君に声を掛けられた。まさか声を掛けられると思っていなかった私は焦る。だって何か髪立ててるし制服着崩してるしアクセサリーとかつけてるし!
「はいっ?」
わぁ、変な反応しちゃった!彼は顔をしかめて私に近付いてくる。
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