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「確か…藤本…ミチコだっけ?」
皇后様のお名前ですか?
彼の発言にフッと緊張が解けた。
「違いますっ!藤本ミチル!!」
私が訂正を入れると「そうだっけ?」とか。まぁ教室来てないもん仕方ないよね。
「じゃあ、私これから帰るから…」
なんか不良っぽくて怖いし、別れを告げて階段を駆け降りようとしたら。
グッと手首を掴まれた。
「…何か用?」
彼に向き直ると、瞳を細めていた。
「俺も今帰るとこ」
よく見るとジャラジャラ鎖や手錠なんかのついた指定外の鞄を肩にかけていらっしゃる!
…ってことは…!?
「一緒に帰ろ?」
ニコニコ笑って可愛らしく言われても~!!
断ると後が怖いし、渋々と彼と一緒に昇降口まで。
「確か出席番号1番違いだよなっ」
なんて愛想良く話しかけてくる。
「う、うん」
私もちょっと困りながらも受け答えをする。
そんな私を無視してるのか気付いていないのか彼は上機嫌のようで。
「意外と記憶力良いだろ」
なんて、自慢げに話す。
私が靴を取り出すと、私の隣りの靴箱を開ける彼。
「あれ?」
不思議そうな声を出した。
「あの…私の上じゃない?福田君の靴箱…」
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