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「福田君はいつも屋上にいるの?」
少し考えるようにして「ほとんど正解かな」とか。
「屋上ってどの校舎も扉に鍵かかってて開いて無ぇんだ。だから正確には屋上の扉の前」
調査済みなんだ…。
「いつも図書室の前なの?」
私の問いに笑って頷く。
「いつもあそこ。他でもいいんだけど、他のとこだと時々カップルがイチャつきに来てウゼェから」
はぁ、なるほどね。
「何して過ごしてるの?」
「ん~?寝たりこれかな?」
ブレザーのポケットから取り出したのは薄型の携帯ゲーム機。
「あ、それと携帯でメールとかネットしたり」
へぇ…。
「サボりって1人で?」
ちょっと苦笑を見せる。
「協調性ねぇから」
ふぅん…。
「さっきから質問攻めだな。気になる?俺の事」
突然の言葉に足を止めると福田君は私の顔を覗き込んでくる。
顔が熱くなるのが分かる。
「…ちょっとだけねっ!」
やっとの事で答えると彼は笑いだした。
「何で笑うの?」
むすっとして言うと「だって…面白れぇ顔!」と。
恥ずかしくて早足で歩き出すと慌てて追って来る。
「待てよ、からかって悪かったって」
そんな事を話しているともう自分の家の前だった。
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