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相瀬君は私に興味が全くないからなのか。
それか読者モデルというものに興味がないのか。
それとも学園一のマドンナとかモデルとか肩書きは抜きにしてその人自身をきちんと見つめる人なのか。
とどまることを知らない相瀬君への思いは、まるで蛇に巻き付かれているように私の心をしめつける。
苦しいよ…相瀬君。
自分一人の暗い闇の中へ落ちかけている私を引き戻すかのように、携帯電話から着信音が鳴った。
それは一瞬、私の体をビクッと震わせる程のけたたましさだった。
慌てて画面を見ると、出るのを躊躇させる名前が表示されていた。
「もしもし?律ちゃん、あのね」
相手は私が電話に出るなり早口でまくし立てるかのように話し始めた。
やっぱり出るんじゃなかったな…と後悔したけれど後の祭りというものだ。
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