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「もう心臓が爆発しそうですよー」
不安がる私の肩を遥さんはそっと抱いた。
「大丈夫よ律ちゃんが撮影してる間もずっと側で見ているから、律ちゃんは可愛いから大丈夫」
まるで子供をあやすように優しい口調だ。
そして私の緊張を取り除くように何度も大丈夫と繰り返し口にした。
「遥さん私ね今すごく不思議な気持ちなんです今までの人生で味わった事がない、逃げ出したい位の緊張感なのにもうすぐ憧れだったティーン雑誌に自分が載るのかと思うと全身に鳥肌が立つ位の嬉しさもあって…心臓が爆発しそうな緊張も、むしろそれを楽しんでるみたいなところがあるんです」
私はおかしいのではないかと本気で思う。
自分で自分がよく分からない。
「律ちゃんはきっと大物になるね」
私の不安をよそに遥さんは、ふふっと微笑んだ。
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