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「撮影をされている時にねカメラのレンズの向こう側に好きな人を思い浮かべるとね驚くほど自然な表情になるのよ」
意識してしまって余計にぎこちなくなりそうだ。
「おまじないみたいなものですか?」
「おまじないよりももっと効く魔法よ」
遥さんは魔法使いが杖を振るしぐさをしてみせた。
「女の子はね好きな人を見つめている姿が一番可愛くて輝いているの、好きな人と見つめ合えば、そりゃあ照れくさくてぎこちない表情になってしまうかもしれないけれど、こちらから一方的に想い人を見つめているその顔はねとっても魅力的なものなのよ」
こんな私でも相瀬君を見つめている時は普段よりちょっとは可愛いのかな。
億劫になっていた撮影が少し前よりは楽しみになった。
「良い顔になるかはまだ分からないけどやってみます私」
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