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「そろそろ撮影再開しますね」
スタッフが私と遥さんの元へやってきて前屈みになり座っている私達と目線を合わせながら言った。
「はい、わかりましたすぐに行きます」
私は残っているココアを一気に飲みほした。
「律ちゃん輝いておいで」
遥さんはピースサインをして私を送り出した。
「はいっいってきます」
私みたいな子が輝けるのだろうか…。そういった卑屈な考え方には不思議とならなかった。
私が相瀬君を思う気持ちは本物だ。
だから彼をみつめている時の私の表情はきっとキラキラと輝いている。
今なら自然とそう思える。
「おっさっきよりリラックスした良い表情になってるね」
カメラマンは定位置につき私を見るなりすぐに明るい声を発した。
職業柄変化に敏感なのだろうか。
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