桜の木の下で

読者モデルの撮影

撮影から約二週間後、私が読者モデルとして載った雑誌が発売された。
「ほら、あの子だよ」
「何か雑誌に載ってるのと顔違うくない？」
「誰でもなれるんだね読者モデルって」
はにかんだ笑顔で紙面に載った私の横に「中学一年生、緑川律ちゃん」なんて書かれているものだから、他のクラスからも人が集まって私はちょっとした有名人になってしまった。
「ビックリしちゃったよー、読者モデルなんて凄いねっ」
「律ちゃんは私達が守るから何言われても気にしちゃだめだよ」
斉ちゃんと石ちゃんは相変わらず優しい。
明ちゃんはというと、やはり自分と同等いやそれ以下だと思っていた人間がこんな事になっているのが気に食わないみたいで私達には寄り付かず一人机に座っている。