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「んん…」
小さな声の後に、寝返りでもしているのか布団がカサカサと動く音が聞こえた。
ほんの数秒の、とても小さな声だったけれど、隣にいるのが明ちゃんだという事が
私にはハッキリと分かった。
急に先程までの心地よさは打ち消され、早くこの場を去りたいとまで思えてきた。
長くここに居ると教室にも帰りづらくなるからと思い起き上がろうとしたが、丁度のタイミングで先生がスリッパをパタパタと鳴らし保健室を出て行く音が聞こえた。
先生のすぐ後に出て行くのも何だし、一応教室に戻りますと伝えなきゃだよね…先生すぐ戻ってくるのかなあ。
「律ちゃん…?」
完全にタイミングを逃し、あれこれと考えていると隣から私を呼ぶ声が聞こえた。
この安楽の場所、保健室でまさかこの悪魔の声を聞く事になるなんて…。
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