突然の別れ

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「ありがとう」 クッキー、お煎餅、チョコレートに飴玉。 テーブルの上には数え切れない位のお菓子が置かれている。 どれから食べようかな。 「律ちゃんこれ好きだったでしょ、小さい頃、親戚の集まりがあって皆でお茶をしてる時、いつもこれを沢山食べてお母さんにまたお菓子ばっかりそんなに食べて!って叱られてたよねー」 おばさんが笑いながら指を指したのは色とりどりでカラフルなフルーツ味の一口ゼリーだ。 「あっ懐かしい!」 そう言って私はゼリーを一つ口に放り込んだ。 オブラートに包まれたゼリーの硬めの触感を幼い私は大好きだった事が思い出される。 いかにも昔のお菓子という感じでとにかく甘い、そして人工的なフルーツの味。 だけどおばあちゃんとの時間を思い出すこのゼリーの味は私にとっては美味しく感じられる。
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