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おばあちゃんは、そんなに好きなら持って帰りなさいと沢山ゼリーをお土産にしてくれたけれど、不思議なことに家で食べても、おばあちゃんの家で食べた味とは何かが違っていた。
私は口いっぱいに広がる砂糖の甘ったるさを味わいながら幼き日の自分と、少し若かったおばあちゃんとの日々を思い返していた。
もっと話したかった、もっと一緒に居たかったと後悔しても時計の針を戻す事なんて出来やしない。
私はふと明ちゃんの事を思い出した。
彼女にはいっぱい傷付けられた。
そして私も自分が気付かないところで彼女を傷付けることもあったかもしれない。
あの日、保健室で明ちゃんは私に話し掛けてくれた。
色々あった私達だから話し掛けるのは勇気がいった事だろう。
けど、明ちゃんは私に話し掛けてくれた。
だから今度は私が心を開く番だ。
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