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「星って孤独ね」
彼女がぼくを見て呟く。
「うん。賑やかそうに見えるけど本当は淋しいんだ」
手を握られ、頬が赤く染まり始めるけれど、暗いから彼女には見えないだろう。
「私、星にはなりたくない」
彼女はそう呟くと、再び視線を夜空に向けた。
彼女の名前は、花宮凛。ぼくと同じクラスに在籍する高校二年生。
高校一年の秋に父親の転勤にともなって、東京から春日井市に越してきた。
春日井市は名古屋市のベッドタウンで、閑静な旧市街と、マンションやアパートが林立する新市街に分かれている。
ぼくは旧市街に住み、凛は新市街側に住んでいた。
凛は、小柄で引き締まった体格。細身だがバネがありそう。
瞳は大きく、鼻筋が通っていた。
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