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    「おーい。ひろし! 凜!」 屋上の出入り口から首だけを出し、川上哲(かわかみてつ)が叫んでいた。 「哲、どうした?」 そう聞き返すとすぐに返事が返ってきた。 「なあ。もう十一時やから夜食でも食べへん!? ぼくと志穂(しほ)やったらもう食べたから交代するでぇ」 哲は小学校まで大阪に住んでいたので、今でも関西弁の交じった話し方をする。 「ありがとう。ちょっと待ってて、すぐ行くから」 ぼくが大声で返事をして起き上がろうとすると、凛が寝袋をギュッと引っ張って言った。 「ねえひろし。こっちを見て」 .
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