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セレスティアの机は本や紙の束などで埋め尽くされていた。
この世界では紙の発明が早かったのか、製造方法が早く広まったのかエレナは知らなかったが、貴族や商人など裕福な身分を中心に紙は広く使われていた。
よく見るとそれらは前世の記憶を持つ自分でも理解するのが難しいと思われる歴史や魔法技術、法律、政治などの専門書やセレスティアが書いたと思われるメモであった。
「姉様は……」
何者だろうか、とエレナは思った。いくら皇女とはいえ5歳児が法律や政治の学術書を理解するとは考えにくい。
「もしかして……ん?」
エレナはあるものをメモの下から見つけた。
「な、何でこれが……」
それは前世の記憶の中ではありふれたものだが、この世界には存在するはずのないボールペンだった。
「どう見ても……ボールペンだよね」
理解不能な状況に困惑するエレナ。
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