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その時、突然エレナは頭を掴まれ机に叩きつけられてしまう。
「なっ!?」
いきなりのことに対応できず、混乱する彼女。
襲撃者は彼女の頭を掴み固定したまま、先程のボールペンの先端を彼女の目に向ける。
「私としたことが部屋に鍵を掛け忘れるなんて……」
「ね、姉様!?」
それは紛れもなく彼女の姉セレスティアの声だった。
「時間がもったいないから単刀直入に聞く。何故お前はこの筆記用具の名称を知っている? 解答拒否と沈黙の場合、目を抉る」
その声は普段エレナに向けられる穏やかなものではなく、優しさを微塵も感じさせない冷たい命令だった。
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