ある男の日記

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……年 4月29日   やっと名前が決まった。   黒い毛の中にほんの少し、灰色の毛が混じっているらしい。確かに探してみればあった。 その一房の灰色の毛が光を反射して、“ほのか”に輝いていたことから、“仄”(ほのか)と名づけられた。 俺が仄、と呼ぶと、ニャーンと一声返してきた。頭がいいのだろうか。それともただ声に反応しただけだろうか。 とりあえず今のところ世話はちゃんとできてる。まあ問題はないだろう。
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