ある男の日記

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……年 6月23日 大学もだいぶ慣れてきた気がする。強いて言うならちょっと遅めの五月病が辛い。     この日記を書いてからもう10年近い。確か小学三年生ごろから親に書きなさいと言われて書き始めて、そして今ではいつの間にか習慣になっているほどだ。 慣れというものは怖い……。 ところで最近、仄の言いたいことがわかるようになってきた。 ……というか向こうから話かけてくるのだが……。 というわけで先ほど、俺が風呂から上がった時の会話を思い出しつつ書いてみることにする。 「さて、ビールビールっと……」 「ねぇ、兼政ー?(ちなみに俺の名前は兼政という)」 「なんだ?」 「ね、あの、なんだっけ?いつも寒い時に出して中がとても暖かい……」 「炬燵か?」 「そう! それ! 次の寒い時にはあれ出してよ~私あれがないと寒くて寒くて……」 「俺のベッドにもぐってりゃ暖かいだろ?」 「私はあの暖かさがいいの……ね、お願い!」 「……まあいいか。それじゃ今年は出すかな。電気それなりに食うんだよなーあれ。でもまあストーブよりマシか」 「わ~い、兼政大好き~♪」 病院に行ってきます。
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