愛憎

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「なんだかんだ言って、あの人に甘いんですね」 ぎょ…っと姿勢を正すと、色男がシャキッと立ち上がった。 ちくしょう、酔っ払いのフリなんかしやがって 「何の事や。アイツらは兄弟やで?同じウチに帰って何があかん?」 …兄弟、か。 そういやそうだ。 あの二人は 『絆』で結ばれた兄弟だ。 「そういう事にしておきます。…今日は」 色男はクルリと俺を振り返る。 「いずれシュウは僕が落としますよ。いや、もう意外と落ちてるかもしれませんが…」 不敵な微笑すらカッコイイからムカついた。 「何や…思うとこがあるみたいやな…。新しい事が解ったなら、報告せぇ」 色男は肩を竦める。 「別に大した事ではありませんが、告白されました」 アッサリ言う色男に 俺も司会者も ただただ、唖然と立ち尽くしていた。
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