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「今日、どうする?」 意味深な表情にクラクラとする頭をふる。 ふに… 微笑んで、小首を傾げる。 ああ、この人は 何の計算もなく、誰にでもこんなことをしているのだろうか。 そんな疑問を圧し殺し、気の合う友人として取り繕う。 「あ、遊びに行ってもいいっすか?」 「おっけー。ご飯も付けよっか?」 「ぜひ!」 やり取りはありきたりで、二人は部屋に居る。 「暑いから」 と言って、上半身裸のまま料理を開始する人。 「勿体無いから」 と言って、貰い物という可愛らしいエプロンを着用した姿は、艶かしいことこの上ない。 後ろ姿に、生唾を飲む。 相手は男だ 同性なのだ と、リビングから彼を凝視する。 似た者同士と言われ 不思議と気が合う人 兄貴と慕って 気が付いた頃には 恋をしていた…
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