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恋の始めなど、 名前を呼ばれただけで嬉しいとか 今日は仕事場が一緒だったとか 番組で紹介していたスポットを見に行って 同じ物を見て 行きつけと聞けば、電車を乗り継いでも行って 同じ物を食べて ああ、こういう味が好きなのか こういう物に興味があるのかとか そんなことに一喜一憂していた。 幸せだった。 隠していれば、何の問題もない。 浮かれていても まだ、この頃は許された。 そう。 顔が今より知られていない頃の話。
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