希望

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「和泉君…ごめんね」 「いえいえ、僕を喚んでくれてありがたいくらいですよ」 クールで知られた和泉の額に、汗が光る。 相当、走ったらしく青年医師が差し出した冷たいお茶を、一気に飲み干す。 「変な言い方して、すみませんでした…」 シュウは頭を垂れた。 「時々…自分の存在に自信が無くなるんです」 シュウは、ポツリと呟く。 「ボクはここにいるのに、あの…ある人が…ボクを通して、誰か違う人を視てる気がして…」 和泉と医師は、視線で何かを伝えあった。 「ある人って…誰ですか?」 医師は尋ねる。 「しん…………紳介さん…」 消えそうな声に、和泉の表情も辛そうに歪む… 「本当に?」 「ほ、本当、です」 戸惑うシュウは、理由も判らず、ただ、和泉と医師を交互に凝視めた。
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