第1章~時の待ち人~

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第1章~時の待ち人~

第1話 毎日の変わりない日々  「ちょっと沙夜~っ!待ってよ~っ!」 「遅いよ2人ともっ!早くしないと遅刻だよ~!」 私はタタタっ!と塀の上を渡り走りを繰り返しながら、後ろの2人に叫ぶ 私の名は、前川 沙夜(まえかわ さや)17歳 普通の女子高生って私は思ってんだけど、周りからは、「天狗女」と呼ばれている  理由は、この身の軽さ。 どんな高い塀も、バスも、木の上も、登れるものには全て乗ってしまう みんなはそんな私をみて、「天狗みたい」といった事から、「天狗女」と呼ばれるようになった (私にとったら普通のことなんだけどな) タタタっ!と塀の上を走りながら考える 身体が軽いのは生まれついてきた身体能力 よく母は、木の上に登ってばかりで、じぃを困らせたと言っている (ある意味何度も言われてウザイけどね…………) ハハっ…………と苦笑いを浮かべた時だった 「おりゃっ!」 「!!」 突然前方から足が飛んできた 「何すんのさ勇介っ!」 私はとっさに塀の下へ飛び降りよけながら相手に怒鳴る 一歩間違えれば確実に足が顔面に当たっていた だが、相手は反省のいろさえ見せず、ふんっ!と笑い飛ばす 「ゆーうーすーけー!!」 私は一文字区切りながら叫ぶ
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